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基本独り言です\(^o^)/
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さくっと短文(KING)
貴方は、君は。
今頃なにしてるのかな。





「あ」
「…初めまして」

そいつは、ふわりと俺の横に降り立った。それはまるで、なんと言えばよいのだろう?質量を感じさせず、空気の抵抗もないような優しい登場はきっと多くの人に幻想を覚えさせるのだろう。
ほんとに人間は馬鹿だね。
愚かで脆くて、だから時々心配になってしまうのを君はわかってるのかな。

「…あんた、あいつを見に来たの」
「はい」
「……へえ~」
「…というより、あの方の、いる場所を」

それ同じじゃん。

なにあんだけ自信満々に答えといて今さら遠慮してるのだろうか。謙虚は美徳じゃないと俺は思うよ。姉さんは消極的なだけで自分の意見はズバズバ言う人だったなと、俺は浮かんだ清廉な姿にこっそりと笑みをこぼした。
正直に言ってしまえばいいのに、きっといつまでもただ静かに佇むだけなのだろう。彼女の目はただあいつを、あいつらを見つめていた。

「俺も」
「はい?」
「俺も見たい奴がいてさあ」
「……」
「まあでも、心配いらないんだけどサ」

なんなんだろうなあ、この気持ち。まるで親みたいだな。

「あいつら楽しそうだもんな」
「…はい」

君がそこにいてくれて、良かったよ。心配だけど、心配はしてないから。

そう馬鹿な顔を見ながら俺は立ち上がった。
いつまでも見てたって、アホな笑顔しか見れそうにない。今日はちょっと覗いてみただけだし、あまりいると説教されるからとっとと退散しよう。

「あんたはまだいるの」
「…もう少し」

そ、と俺は応えてから踏み出した。
もう少し、まだあとちょっと、そうやって控えめに大層なことを宣う彼女に教えてあげたほうが良かったのだろうか。
あんたはあいつがいる場所を見ているらしいけど、あいつはこっそりあんたを見てるって。
見えてなくても、あんたを見つめてるって。

「…言ってやる義理はないし」

けして交わらない視線を交わすその均衡が崩れることなど、この先一度たりともある筈がないのだから。





貴方へ、君へ。
俺は元気にしてますよ。























あの子と、あの子視点。
シスコンだねえ。
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